コラム

設計監理方式で談合が起こりやすい理由

マンションの大規模修繕工事において、業者選定の際に談合が発生することは、大きな社会問題となっています。特に、設計監理方式においては、特定の条件が重なることで談合が発生しやすい状況が生まれやすいとされています。本記事では、その要因を整理し、どのような対策を講じるべきかを解説します。

1. 設計監理方式とは

設計監理方式とは、マンションの管理組合が修繕工事を発注する際、専門の設計監理会社(設計コンサルタント)に工事の設計・監理を委託し、その指導のもとで施工業者を選定する方式です。管理組合にとっては技術的な知識が不要であり、第三者の視点で品質管理を行えるメリットがあります。しかし、設計監理会社の役割が大きいため、不適切な運用がなされると、施工業者との癒着や談合につながる可能性があるのです。

2. 設計監理方式における談合が発生しやすい要因

(1) 設計監理会社が業者選定に大きな影響力を持つ

設計監理会社は、工事仕様の策定や施工業者の選定に関与します。このため、設計監理会社が特定の業者と結託すると、その業者が有利な条件で受注できるよう操作されることがあります。具体的には、

  • 特定の業者しか対応できない仕様を設計に組み込む
  • 特定の業者に事前に仕様を漏らし、有利な見積もりを準備させる
  • 形式上の入札を実施しながらも、実際には事前に受注業者が決まっている

といった手法が取られることがあります。

(2) 設計監理会社と施工業者の長年の取引関係

設計監理会社と施工業者は過去の取引を通じて関係が深まることが多く、特定の業者が常に優先的に選定されるケースがあります。その結果、業者同士が談合し、価格を調整することで、適正な競争が阻害されることがあります。

(3) 透明性の低い見積もり調整

多くの設計監理方式では、複数の施工業者から見積もりを取得する「見積もり合わせ」が行われます。しかし、これが形式的なものとなり、実際には特定の業者が事前に選ばれている場合、談合の温床になります。見積額を調整し、受注業者が決まっている状態で見積もり合わせが行われるため、管理組合が適正な価格を判断しにくくなります。

(4) 競争環境の不足

大規模修繕工事を手掛ける施工業者は限られており、特に地域ごとに影響力のある業者が決まっている場合があります。そのため、業者同士が「お互いに価格を調整しながら案件を分け合う」という暗黙の了解が生まれやすくなります。結果として、競争原理が働かず、談合が起こりやすい環境が形成されるのです。

3. 談合を防ぐための対策

談合を防ぐためには、設計監理方式における透明性を高めるとともに、適切な競争環境を確保することが重要です。具体的な対策として、以下のような取り組みが考えられます。

  • プロポーザル+総合評価落札方式の導入: 設計監理方式ではなく、プロポーザル+総合評価落札方式を採用することで、技術力や実績を基準に公平な評価を行い、価格の透明性を確保できます。
  • 第三者機関による監査の導入: 施工業者の選定プロセスや見積もりの適正性を第三者機関がチェックすることで、不正を防止できます。
  • 仕様書の標準化と開示: 仕様書を特定業者向けに作成することを防ぐため、国や自治体が推奨する標準仕様書を活用し、公開することで透明性を確保できます。
  • 広範囲な業者への入札参加機会の提供: 限られた業者に入札の機会を与えるのではなく、広範囲な施工業者に参加を呼びかけ、競争環境を確保します。

4. 参考文献

5. まとめ

設計監理方式は、マンションの大規模修繕工事において重要な役割を果たす一方で、施工業者との癒着や談合が発生しやすいリスクを抱えています。これを防ぐためには、施工業者の選定プロセスの透明性を高めることが不可欠です。マンション適正管理サポートセンターでは、透明性の高い業者選定方法の導入を推奨し、適正な大規模修繕工事の実施を支援しています。詳しくは、当センターのウェブサイトをご覧ください。

本件に関する詳細やご相談は、当センターのウェブサイト(https://www.mansion-support.jp
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