コラム

信用できるマンション大規模修繕の施工業者とは

3月4日に発覚した談合問題を受け、改めて施工業者の信用について考える必要があると感じ、筆を執りました。

マンションの大規模修繕工事において、施工業者の信用問題は常に議論の的となります。しかし、施工業者を選定する発注者側の体制や倫理観もまた、工事の適正さを左右する重要な要素です。ここでは、ある事例をもとに、施工業者の信用性について考えてみたいと思います。

1. とある施工業者の事例

さざなみマンション管理組合の修繕委員会メンバーである山田さんは、いざなみマンション管理組合の中島さんから「信頼できる施工業者を紹介してほしい」と相談を受けました。山田さんは、直近の大規模修繕で良い仕事をしてくれたイズモ建設を紹介しました。

いざなみマンション管理組合では、イズモ建設の対応や価格が妥当と判断し、大規模修繕工事を依頼することになりました。しかし、工事が完了に近づくにつれ、数量精算が増え、追加工事も発生し、予想以上の工事費用がかかる事態となりました。この結果に不満を持った中島さんは、山田さんに「この施工業者は本当に信用できるのか」と疑問をぶつけました。

山田さんがいざなみマンション管理組合の体制について聞くと、住民の鈴木さんが一級建築士であり、以前から業者選定や大規模修繕を取り仕切っていることが判明しました。山田さんは、鈴木さんの行動に疑問を抱き、数量精算や追加工事の経緯について鈴木さんに説明を求めるよう中島さんにアドバイスしました。しかし、鈴木さんは明らかに面倒くさそうな態度を取り、ごまかそうとする様子が見受けられました。それにもかかわらず、中島さん以外に鈴木さんを追及する人はおらず、問題は曖昧なままとなってしまいました。

(当人物、マンション、会社は仮称です)

2. 施工業者の信用問題と発注者の倫理観

この事例から分かるように、施工業者が信頼できるかどうかを判断する前に、発注者側の管理体制や倫理観が健全であるかを見極めることが不可欠です。

施工業者は、発注者の意向に沿わなければ仕事を取れないため、多少の融通を利かせることが求められる場面が多くあります。しかし、発注者側の要求が適正でない場合、施工業者も適正な対応を取ることが難しくなります。例えば、発注者側の特定の人物が不透明な決定を下し、それに従わなければ契約を得られないという状況が生まれると、施工業者は「発注者のご機嫌取り」を優先せざるを得なくなります。

発注者の倫理観が問われるケースでは、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • 透明性のない業者選定
  • 不適切な仕様変更や追加工事の要求
  • 不明瞭な数量精算
  • 費用の膨張に対する説明責任の欠如

このような状況が発生した場合、「施工業者が信用できるのか」と問い詰めるだけでは問題の本質に迫ることはできません。むしろ、

  1. 管理組合内での意思決定プロセスが透明であるか
  2. 業者選定の基準が公正かつ適正であるか
  3. 追加工事や数量精算の根拠が明確に説明されているか

といった発注者側の姿勢をチェックすることが、より重要だと言えます。

3. 参考文献

4. まとめ

施工業者の信用問題は、多くの管理組合が直面する課題です。しかし、施工業者を疑う前に、まずは発注者側の体制が適切であるかを検証することが必要です。不透明な決定がなされる環境では、どんな施工業者であっても公正な仕事をすることが難しくなります。

大規模修繕を成功させるためには、管理組合が適正な運営を行い、公正な選定と透明性のある意思決定を徹底することが不可欠です。その上で、施工業者の信用性を正しく評価することが求められるのではないでしょうか。

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